差別の境界線とコミュニティ

ここ最近黒人の差別問題が急に取りざたされる様になったので、この機会に書きつけて置こう。

黒人男性死亡 全米各地で抗議デモ続く ワシントンでは最大規模 | NHKニュース

 

今回の事件もアメリカに根深く残ると言われている差別感情によるものなんだろうけど、私が疑問に思ったのはリンカーン奴隷解放宣言から140年以上も経ったのに何故未だに黒人がマイノリティで差別される存在なのかという事だ。

 

まずマイノリティの方を考えてみると言葉の意味としてはマイノリティが少数派、マジョリティが多数派で合っていると思う。(マイノリティレポートで始めて知った様に記憶している)

アメリカの人種比率で見るとおよそ12%強が黒人でヒスパニックの17%強より少ない。確かにアメリカでは黒人は少数派であるようだ。

https://www.nhk.or.jp/syakai/10min_tiri/shiryou/pdf/006/shiryou_002.pdf

では何故少数派なのかと考えると、歴史の授業ではアメリカの黒人はアフリカから連行された奴隷の子孫で、その奴隷の多くは南部の農場で働かされていたと習った。つまりヨーロッパからアメリカへの移民が主で、アフリカからは積極的に移民した訳では無いから数が少ないという事になる。

 

次に何故差別されているのかを考えると先に触れたように、ルーツが奴隷という下層階級であるために白人側も黒人側も反目しあった事だろう。それが現在まで続いている理由も色々と聞こえてくる。黒人が貧困なのは低所得な職にしか雇用されないからだとかそれによって犯罪集団を形成するからますます雇用されなくなるだとか這い上がって金持ちになるのが夢(アメリカンドリーム)になるほどに貧富の差が激しいアメリカの社会構造だとか。

 

そんな差別大国アメリカ(だけでは無く他の国もだが)で差別を語る時に1番に来るのが人種だが、ここにも疑問を感じる。なぜ白人黒人ヒスパニックと言った大まかな分け方なのか?アジア系として中国韓国日本が一纏めにされてしまうのか?そこにも黒人が奴隷として連れてこられた事が関係している様に思う。

正式な移民では無くアフリカ各地から寄せ集められた集団だった為に黒人と言う共通点でしか纏まれなかったのだろう。アフリカ系アメリカ人と言う呼び方も聞いたことがあるが、イギリス系ドイツ系フランス系なんかと比べると随分と曖昧である。その曖昧な黒人と言う集団に対応した呼び方として白人やヒスパニック、アジア系と言った呼び方がされる様になったのだろう。

 

結論として何故未だに黒人がマイノリティで差別される存在なのかは、アメリカ成立の経緯による歴史的問題であるから。そしてアメリカ人がアメリカ人としての共通認識を持たない限り今後も続くだろう。つまりアメリカの国内問題であって少なくとも日本にはあまり関係の無い話なのですぐ忘れ去られると予想して終わりしよう。