君子豹変す、小人は面を革む

Twitterリツイートでこんなのが流れてきました。

ちらっと読んでこの意見にはちょいと賛成できないなぁと思ってリプライを覗いていたらこのタイトルの言葉を見つけました。意味は賢い人は間違った考えをすぐに改めるが凡人は外面を改めたフリをするだけ、だそうです。

この説明だと少し分かりづらいので、ことわざ辞典に載ってた英語の類義語も紹介します。

A wise man changes his mind, a fool never.(賢者は考えを変えるが、愚者は決して変えない)

どちらも思考の柔軟性を良しとして、凝り固まった考えを改めるように啓発したことわざですね。

 

さて冒頭のツイートに話を戻すとツイ主が害悪だとしているのは『自己の一貫性に病的なまでに執着する人』なわけでここだけ見ると、ことわざとは食い違っていない様に思えます。しかしその前文の『相手が一貫性を欠いている所をを攻撃する戦術を広めた事』まで含めると違ってきます。

ここで考えるポイントは一貫性と考えの正誤にはなんの関係も無いと言う点です。一貫した考えだから正しいのではなく、正しい考えが一貫性を持つだけです。そしてその正しい考えも時間の流れや周辺の状況によって変わってしまう事もよくあります。例えば奴隷制なんかは有史以来非常に長い期間色々な形で存在しましたが、現代では法的に規制されていますね。

つまり議論の相手を一貫性が無いと非難したとしても、相手が考えを改めるに足る理由を提示すればダメージにはならないのです。一貫性の矛盾を突く手法はこの考えを改めた理由を引き出す為のジャブみたいなものなのでなんら非難されるものではありません。逆に一貫性の矛盾を指摘されてもその理由を提示できない相手は大した考えもなく意見を変えているという事になります。もしくはその理由自体が公表できない質の物なのでしょう。

 

一貫性という性質は正しい考えを得る事は出来ませんが間違った考えを見破る事は出来ます。インターネットを始め、技術や道具はちゃんと使いこなしてこそ真の価値が発揮されます。日々の生活でも出来るだけ価値を有効に発揮させたいですね。