アメリカ大統領選から見える世界

マスメディアの下馬評を完全に覆してドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選挙を制しましたね。今回は史上最低の嫌われ者対決と言われていましたが本当にそうだったのでしょうか?

それぞれが獲得した州を見ると東海岸西海岸の大都市部、いわゆるエスタブリッシュ(支配階級)の多い地域はヒラリー支持。中部南部の中産階級が多い地域はトランプを支持している事が分かります。これはリーマンショク以降ウォール街や自動車BIG3などに代表される大企業には公的資金を注入して助けたのに労働者の待遇は改善されなかった不満の表れと取れるでしょう。

そしてイギリスのEU離脱(ブレグジット)でも表面化した事前予想や出口調査の精度の低下。これは既存のマスメディアを介さずにインターネットでそれぞれの本音を共有して投票した結果と言えます。今回の大統領選挙でも隠れトランプと呼ばれた自分の考えを表立って発言しづらい人々が投票した事が予想を外した原因と言えるでしょう。

この様に表面に現れない意見は無いものとして扱うのは大きな間違いです。人は誰しも言葉にできない思いを持っています。普遍的な人生の幸福を考える事がこの心の声を汲み取る手段です。

一部の人間の利己的な意見をさも世界の全てであるかの様に偽る事を辞めなければ本当の平和は訪れないと感じた大統領選挙でした。